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医療法人社団誠馨会
千葉中央メディカルセンター

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※来院前に必ず各科の診療時間をご確認ください。

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  • 当院は2012年10月に日本医療機能評価機構ver.6.0による認定更新をしました。

メディカルEYE

2013年02月01日発行
泌尿器科 部長 杉山 義樹
M-eye No.37 メタボリックシンドロームと泌尿器科疾患
最近注目されている国民的アイドル?疾患「メタボリックシンドローム」。心臓病や脳血管障害、糖尿病、肝機能障害等に関係していることは、すでに皆さんはご存知なはず。
実はそれだけではないのです!
泌尿器科疾患にも関係しているのですヨ。しかも致命的病態になる以前の「シグナル・警報」として泌尿器科的症状が表れることもあり、我々泌尿器科医の世界でもメッチャ注目(MetS注目?)」されています。

1:メタボリシンドローム(以下MetS・メッツ)の復習

日本でのMetSの診断基準は内蔵脂肪面積100c㎡以上を必須とし、内蔵脂肪の簡易診断法として臍周囲径が、男性で85cm以上・女性で90cm以上が基準(A項目)となり、これに加えて以下の3項目(B項目)の中で2項目以上を満たす場合にMetSと診断されます。
つまり {A項目+B項目の2つ以上=MetS} と診断されます。

2:MetSと腎機能障害(慢性腎障害:CKD)

MetSの診断基準の肥満、高血圧や糖尿病のどれを見ても腎機能障害を引き起こす原因疾患・状態ではありますが、非MetS群とMetS群ではCKDの発症が2倍以上違うといわれています。
当院ではCKDに関しては糖尿病センター・腎臓内科・循環器内科など「内科系」が主に対応していますので、ここでは簡単な説明にとどめておきます。
肥満、特に中心型肥満(内蔵脂肪の蓄積)の場合、たとえ糖尿病が無くても腎障害の指標となる「微量アルブミン尿」の頻度が増え、ネフローゼ症候群・腎不全に進行する場合があるといわれています。
糖尿病とCKDは因果関係が極めて高く、現在、人工透析に移行する患者さんの大半は糖尿病の「糖尿病性腎症」からきています。高血圧も「糸球体高血圧」となり腎障害に進展してきます。
個々の要因だけでもCKDとなり腎不全・透析になりえるわけですのでMetSになったら最悪のシナリオといえるのではないでしょうか?
実は個々の疾患・状態はすべてが腎臓の中枢である「糸球体」に労働負荷を掛けてしまうからなのです。狙われている場所が同じですからダメージが強いわけです。

3:MetSと上部尿路結石

腎結石・尿管結石、いわゆる上部尿路結石の患者さんの検査をしていますと、肥満や脂肪肝の方が意外と多いなという印象があります。実際に結石の患者さんの中で男性では65%、女性では62.3%がMetSと診断されたとの報告もあります。全国平均の男性25.3%、女性10.6%から大きくかけ離れていますよね?
一方MetSの患者さんは、結石の原因とされる
 ①尿中シュウ酸排泄量が多く
 ②尿酸代謝異常もあり
 ③酸性尿の傾向がある
と言われています。
然るにMetSがあることによって尿路結石の再発リスクは1.3倍となるようです。
MetSの申し子のような上部尿路結石。当然MetS予防と結石予防では食事指導がかなり似ています。右に共通項目を列挙してみました。
どうです? まさしく一石二鳥ではないでしょうか? 
また、結石の原因となる「高尿酸血症・酸性尿」はMetS発症の予測因子としても注目されてきています。このいずれかがあることで5年後のMetS発症率は5〜8%高いようですし、MetS発症予測因子(年齢・BMI・血圧・脂質・血糖)に尿酸と酸性尿の因子を追加することで発症予測の精度が増したとも報告されています。

4:MetSと排尿障害

a) 過活動性膀胱
まず「過活動膀胱」とは何か?
平たく言えば「頻尿・失禁を主訴とした病態群」です。今回は過活動膀胱の話ではありませんので詳細は2011年2月発行の「メディカルEYE No13」を参考ください。
さて、MetSがこの過活動膀胱にどう関係するのでしょうか?過活動性膀胱には「神経因性」と「非神経性」の2型があります。MetSの方の場合、動脈硬化に伴う脳梗塞の頻度が高いため、おのずと「神経因性」過活動膀胱の発生も増えてきますが、それだけでなく、同様に主に動脈硬化に伴う「膀胱虚血」が原因となって「非神経性」過活動膀胱を起こすともいわれています。
そこに、糖尿病そのものの神経障害(末期では低緊張性膀胱となり排尿困難・尿閉に移行)や肥満による骨盤底筋群の脆弱化なども絡んできますので、病態は多岐にわたります。

b) 夜間頻尿
MetSの構成要素が増えるほど夜間頻尿のリスクも増え、オッズ比で2倍以上のリスク増大になるようです。夜間に関しては主に夜間多尿が関係しています。
高血圧があるだけでも夜間の腎血流増加により夜間尿量が増え(夜間多尿)、排尿回数が増えますが、過活動膀胱があれば、その症状は更に助長され、より「夜間頻尿」を過度に感じます。また、糖尿病では高血糖から浸透圧利尿となり多尿となりますし、そこに冠動脈不全が伴えば益々夜間多尿となり、同様に「夜間頻尿」の症状が助長されます。
肥満の場合、無呼吸症候群、夜間の飲食・飲水などに伴い、夜間多尿となり同じように過活動膀胱の頻尿が増大します。
夜間頻尿は、当然、夜間覚醒回数が増えて夜間歩行となります。そのため夜間に転倒し、骨折頻度が2〜3倍に増加するとも言われています。

5:MetSと勃起障害(ED)

EDには器質性と心因性の2型があります。
器質性EDに関しては、糖尿病による神経・血流障害、内分泌・代謝異常などが、高血圧では血流障害のほか降圧剤による薬剤性EDが関係しています。また、糖尿病・肥満では性欲低下や性に対する無関心などで心因性EDにも関係してきます。 


一見、泌尿器科とは関係のなさそうなMetSの話でした。 
MetSが「国民的アイドル?疾患」とされているのは、病態が複数科に関係した複雑な疾患であるからなのでしょう。
しかしMetSは生活習慣病です。自覚さえあれば予防できる疾患でもあるわけです。メッチャ注意しましょう。


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ことばを聞き取る聴力検査
2013年02月01日発行
生理機能検査室 

一般的に聴力検査というと、ヘッドホンをつけて機械から出る音が聞こえる・聞こえないと答えていくテストが広く知られています。
これは、標準純音聴力検査といい、人が聞こえる範囲の周波数の音を数種類出し、各々の可聴閾値を測定することで難聴の種類や程度を判定するものです。

そのほか聴力検査にはいくつかありますが、その1つに語音聴力検査があります。
この検査は聞こえてくる言葉をどれだけ聞き分けるかを判定します。
検査方法は、標準純音聴力検査同様ヘッドホンをつけ、機械から聞こえてくる20〜50の語音(あ、い、うといった単音節)を解答用紙に記入して、その正答率を出していきます。
検査は音の大きさ(音圧)を変え、何度か施行し、最も明瞭に聞こえるレベルをだしていきます。これを語音弁別能といい、聴覚障害の程度を示す等級を決定する指標ともなり、補聴器や人工内耳適応の必要性を決める目安ともなります。

加齢による老人性難聴や働き盛りにおこる突発性難聴など、今、聴覚に障害を持つ患者さんが増えています。
そうした患者さん達にとって、音を聞く能力以外に言葉をきちんと聞き取れる能力を調べることは、今後、日常生活での不自由度や社会適応を把握し、治療法を選択するうえで重要になっていくと思われます。


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