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医療法人社団誠馨会
千葉中央メディカルセンター

〒264-0017
千葉市若葉区加曽利町1835-1
TEL:043-232-3691
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午前8時15分〜

※来院前に必ず各科の診療時間をご確認ください。

看護師の一日の様子などもご案内

http://www.ccmc.seikei-kai.or.jp/

  • 当院は2007年10月に日本医療機能評価機構ver.5.0による認定更新をしました。

看護部紹介|インタビュー

インタビュー 福田医師・内田看護師・桜井看護師・眞弓看護師・三木氏

患者様に安心な療養環境を提供し、職員も安心して仕事に従事できる万全の環境を整えている千葉中央メディカルセンター。看護師を始め多くの女性が活躍する職場だからこそ、職員を守るシステムの構築や院内暴力に関する研修など、職場の安全を守るための様々な取り組みが患者様への安心安全な医療の提供へ繋がっています。今回は、医療安全の中心となって活動している「医療安全管理室」の中で特に活発な活動をしている『院内暴力対策チーム』の皆さんにお話を伺いました。

患者様の安全と医療従事者の働きやすさの最先端をいく!専任リスクマネージャーはじめ、一人ひとりが持ち合わせる安全意識

――まず最初に「医療安全管理室」とは、どのような組織なのでしょうか?

福田:「医療安全管理室」は、安全に関するありとあらゆることに対して、第一線に立って対応している組織ですね。安全というのは『医療の安全(患者さんの安全)』と『仕事の安全(医療従事者の安全)』。これらを確保するために活動しています。

千葉中央メディカルセンターには医療安全委員会という組織があって、それぞれの職種からメンバーが集まり、安全上の問題点、ルール作り、教育などについて検討していますが、実際の医療安全はフットワークが非常に大事になります。具体的な事例にいかに迅速に対処するかが一番大事なんです。例えば、警察署があっても、交番がないと細かな対応が出来ないように、委員会だけでは院内の具体的な事例に速やかに対応できない。そういうところを医療安全管理室が担っているんです。

 

――リスクマネージャーも医療安全管理室に所属されていますが、どのような業務を担当していますか?

眞弓:他の医療安全管理室のメンバーは、副院長であったり部長であったり、それぞれの現場の業務と兼任ですが、リスクマネージャーは医療安全に関する専従です。千葉中央メディカルセンターには現在2名のリスクマネージャーが活動しています。日々発生するインシデント・ヒヤリハット事例に迅速に対応して、原因究明や再発防止策などを検討しています。

桜井:そうですね、研修から学んだ新しい分析方法や対処方法を当院にどうしたら活用できるかを考えながら、院内事例についてメンバーで検討して改善策を導き出していますね。

眞弓:ええ。速やかな事例報告と改善策など職員へのフィードバック、これらの情報をスタッフがいつも共有することが大切です。現在は、SafeMasterというインシデント・アクシデント報告管理システムを2年前に導入し活用しています。

福田:報告できる端末はたくさんあって、環境は整っているんだよ。元々、千葉中央メディカルセンターは、インシデント報告の電子化では時代の最先端を行っていて、自院で開発した報告システムを利用していたんですよ。他の病院と比べると、かなり早い時期からだったよね。

内田:そうですね。

桜井:一番最初の報告体制は紙ベースだったのですが、福田先生にお話したら、報告システムをプログラムしてくださったんですよ。

福田:誰もがいつでもどこからでも自由に記載して報告できるようなシステムをと思って作ったんです。今では、その時に作ったようなものが商品化されていますよね。

桜井:パソコン端末から報告できるようになったことで、スタッフにとっては非常に報告しやすくなったと思います。それと同時に、受け取る側も集計や分析の処理も迅速に行えて作業時間が大幅に短縮されました。セコム医療システムの提携病院内の医療安全部会に参加して、そのシステムの活用を発表したりしましたよね。それが平成18年でした。

福田:そうだね。現在使っているシステムも、まだ、100%機能を発揮できているとは言えないけれど、報告は更にし易くなったよね。

眞弓:今のシステムは電子カルテの端末に入っているので、全館約300台の端末を利用して報告も閲覧も出来ますしね。

桜井:それと、各現場でも分析できるシステムが入っていて、改善対策のKYT分析画面では、提出された事例に対し、発生時に関連したと思われる問題は何か、また重要項目は何か、解決するための対策アイディアなどを書き込む欄が設けられていて、電子カルテの中で振返ることができます。現場で分析しなくてはいけないものは現場で分析し、自分達でもどうしたら良いかを考えることを促しています。

内田:分析以外にも、マニュアルの不備が無いかを見直し、修正して整備をしたり、それが実際に機能しているかどうかをラウンドして定期的にチェックしていますよね。

眞弓:そうですね。リスクマネージラウンドといって、毎週月曜日にチームで各部署を周っています。院内の全ての部署が医療安全に係わっていますので、患者さんに安全に医療を提供できているかどうか、また、環境が整っているかどうかチェックしています。平成16年7月に安全管理室が出来てから、ずっと続けています。

福田:医療安全が話題になり始めたのが、だいたい平成12年。様々な医療事故が世間で起こって、医療安全という言葉が盛んに使われるようになった。その頃から、千葉中央メディカルセンターでは医療安全の重要性を高く捉え動いてきました。

――患者さんに対して、医療安全管理室ではどのように係わっていらっしゃいますか?

福田:患者さん自身が持っている医療に対する不安や、何かしらの実害があれば実害に対して、具体的な答えを出せるように動いてもらっています。かなりオンタイムにやっていると思いますよ。何より速やかに対応することが一番大切だからね。

眞弓:連絡が入ったらその場に駆けつけて患者さんのお話を伺ったり、患者さんと医療側の間に立って調整を図ったり、対応は迅速に!というところを意識して動いています。

福田:病院の入口を入ってすぐのところに医療安全管理室の部屋があるんですよ。医療安全管理室がある場所にも意味もありますよね。患者さんの視野に入るところにある!これが何よりも大切。

眞弓:直接、部屋に訪ねて来られる方もいらっしゃいます。いつでも声をかけやすいように在室時はドアを開けていますし、「医療安全・相談」と表示してあるので興味がある方もお見えになります。患者さんへの医療安全情報の発信として「医療安全かわらばん」を発行したり、患者取り違えを防ぐための協力の方法などもご案内したりしていますしね。患者さん側にも、当院には医療安全に関する相談窓口があるということが徐々に浸透しているのだと思います。

内田:医療者と患者さんの双方に目を向けて、医療の安全管理全体の活動をしていますよね。ずっと何年にも渡り取り組んできたことが、だんだん浸透してきているなという実感があります。

桜井:ええ。いかに医療事故を防げるかというのが継続したテーマです。一番最初に取り組んだのが患者誤認防止なんです。病棟や外来など様々な場面でどのように対応していくかを、医療安全委員会が中心となって検討して対応してきました。今も医療者と患者さんが一緒になって、未然に防ぐ体制をもっともっと整備できないかと検討し続けているところです。患者さんもそれを望んでいると思いますしね。インシデントなどで報告された事例は改善策に繋がる手掛かりの宝庫だと思います。患者さんからの情報もそうですよね、クレームという形で来る場合もありますし、ご意見を伺うこともあります。その中から本当に必要なもの、改善すべきもの、隠れている部分を掘り出して分析に繋げていますからね。

眞弓:それと、医療安全標語も募集もしたりしています。つい先日行われたものにも患者さんからたくさんのご応募があって、約70標語くらい集まりました。

福田:これも、数年は続けていることだね。医療安全に関しては、継続しているものが多いんですよ。

『働きやすい職場』と言えることが医療の安全に繋がる 院内暴力への対処と体制強化、メンタルケアにも配慮した対策チーム

――医療安全管理室の中には、さらに「院内暴力対策チーム」があるそうですが、チームが作られ活動するにいたった背景などについて教えてください。

内田:当院の医療安全基本方針にもありますが、「患者や医療者の安全を確保する」という視点で働きやすい職場を作るのが必要だということですよね。

三木:「院内暴力対策チーム」の形が出来たのは平成23年です。その半年前から、コア会議という形で、福田先生を中心に内田看護部長、桜井マネージャー、眞弓マネージャーと私で、暴力に関する現状の洗い出しや、今後どういった姿に持っていけばいいのかを検討し、その後、チームを発足して本格的にスタートしたんですよね。

福田:うん。暴力に対する対応というのは非常に難しい。どこかで線引きしないといけないですからね。患者が病気で来院したから、受け入れて診療を行うというだけならいいんですが、暴力対策となると、今度はどこかで相手をオミットするっていうかね、切捨てるところを決めないといけない。だから、ちょっと特殊な組織と言えるかな。

一定の規格のある製品を売る仕事とちがって、サービス業のような形のないものを提供する職種は、お客からすれば文句を言い易い。相手を満足させてなんぼだから。そういった意味で、医療機関は責められやすい対象になっている時代だよね。それと、人っていうのは、個人に対してよりも組織に対してのほうが文句を言い易い。入院患者などはいろいろな欲求や不満を持っていて、組織の一員である看護師などはそれをぶつけられ易い環境にいるんですよ。特に20代の若いスタッフが深夜営業をしている夜勤は、相当、リスクの高い職場。他の業種と比べても高いんじゃないかと。

内田:高いでしょうね。特に病院って圧倒的に女性が多いんですよね。夜間や休日になれば、男性職員が少数になります。現場の看護師や事務員の女性が患者さんの暴力行為やクレームなどの対象になりやすいという面があります。

暴言暴力は、女性にとって精神的なトラウマになってしまうんですね。メンタル面で不安定になってしまうということが起こります。私たち管理職者も、スタッフが暴力にさらされるというのはどうしても許せないんですよね。「安全で働きやすい職場」、これだけは目指さなくちゃいけないんじゃないかなって思います。特に夜間帯の安全確保はそうですよね。

三木:メンタルケアについては医療従事者向けに相談の窓口を設けています。院内では医療安全管理室が相談窓口となっていますが、院外にも3か所の相談窓口を設けています。メンタルケアの専門会社と契約して、職員や職員の家族が直接相談できる「Eパートナー相談室」という体制がそのひとつです。

その他に、セコム医療システムメンタルサポートを利用したリエゾンナースへの相談や、提携医療機関メンタルヘルス相談室があります。院内暴力以外にも、仕事や家庭の問題など様々な悩みについて、一人で悩まずに安心して相談できる環境が千葉中央メディカルセンターでは整備されています。

 

――では、具体的に夜間帯以外にはどのようなタイミングで院内暴力が起きることが多いのでしょうか?

内田:昼間もですよね。

眞弓:そうですね、昼間もあります。

内田:病気によって譫妄を起こした結果、大声や暴力に繋がる場合や、ご自身の問題で暴れる場合がありますね。

福田:そうだね、患者さんの忍耐度にも差があるからね。

眞弓:ええ。患者さんの求める想いとこちら側の想いが少しでも違うと、すぐに苛っとされたり、また、病状故の辛さがプラスして苛々してしまって、その結果、暴言や大声を上げてしまったりということは多いですね。

福田:あと、こういう言い方は良くないけど、悪意のある人もいるんですよね。医療者である我々は、まず病気を治していくんだ、というスタンスで患者を受け入れていくので、時として悪意のある人の治療にも係わらざるを得ないことがある。

眞弓:暴力行為の発生で、現場では、スタッフが被害を受けるだけでなく、患者さんへの必要なケアがそのために滞ってしまうこともあります。

内田:そして、看護師は、特に共感性が高い能力を持った人が多く、患者さんの暴言暴力に遭うと、自分のせいだと思ってしまう人が多いのです。自分の話し方や接し方がもっと違っていたらこうならなかったのではないか、と自分自身を責めるタイプのスタッフが多いんです。だから、余計にSOSを出しづらいんです。警察を呼ぶとかすぐには切り替えが難しくて、躊躇してしまうんですよね。

福田:うん。スタッフは、コミュニケーションが大事、日頃から人の話を一生懸命聞きなさいと教育されているから、みんな一生懸命やっている。だからこそ、ある段階でどうやって線引きするかっていうのを教えていくのは非常に難しい。

内田:難しいですよね…、まだ人生の経験値の少ない若い看護師たちが多いですから。私たちのような管理職者は、スタッフを守るために、彼女たちがSOSを出しやすい体制を作らなくてはいけないですよね。

あらゆる事象を想定した緊急時のためのシステム導入と院内協力体制 ロールプレイングを取り入れた‘SOS’院内暴力対策研修も充実

――千葉中央メディカルセンターはセコム医療システムの提携病院ということもあり、安全万全を整えた施設としての取り組みとして、スタッフがSOSを出せるセコムのシステムを病棟に備えています。それはどのようなものでしょうか?

内田:もう何年前のことかしら。

福田:そうねえ、12年くらい前かなあ。

内田:当時、夜間帯に看護師に対する暴力事件がありました。その時、夜勤者は少数で、患者さんの対応で助けを求めに行くことも出来ず、これでは職員の安全が守れないと強く感じたことが発端で、まず、SECOMパニックボタンを設置して頂きました。誰かに来て欲しいと電話をすることもままならない時に、押すだけで応援を呼べるボタンが各病棟の横に設置されました。非常時に押すと、セコムの警備室の千葉支店に通報が入り、そこから当院の警備室に電話が来ます。そして当院の警備員が駆け付けてくれます。

三木:もちろん、実際に暴力が発生した場合に駆けつけるのは、警備員だけでなく、基本的には事務系の男子職員が全員でそこに駆けつける、という体制になっています。外来診療の場合は、大声などが聞こえたら、呼出しという形が無くても何人かが直ちに駆け付けます。病棟や検査室など離れている場所でも、事務への呼出しがあれば、最低でも3、4人連れて駆けつけて行く体制を常に取っています。

福田:最近、SOSの体制強化として新たに増えた物があります。ペンダント式の通報器です。この通報器のボタンを押すと、すべての病棟で、どの病棟でボタンが押されたかが分かるように警報ランプが点滅します。院内ですから、ランプを見た他の病棟のスタッフが速やかに駆けつけて応援する。

内田:仲間が駆けつけやすい状況は心強いですから。今まだ、運用を話し合っている段階なんです。

眞弓:このようなシステムがどんどん充実していくのは、働いているスタッフにとっては大きな安心ですから。組織が守ってくれるという安心感。働いていて、これは非常に心強いですよね。自分だけで対応しなければならないというのは、それだけで不安が募ります。そうじゃなくて、何かあった時に仲間や応援者が駆け付けてくれるという安心感があるのは大きいです。スタッフにとって、千葉中央メディカルセンターは益々働きやすい職場になっていると思います。

三木:その意味では、この対策チームが発足して以来、体制がどんどん整備されているのかなと感じてはいます。

ただ、SECOMパニックボタンやペンダント型の通報ボタンなどを設置しても、スタッフ自身が、その場面、場面でどういうふうに対応したらいいのか分からないと動けないので、チームが中心となって色々な研修会を開いていきたいと思います。

 

――先日「院内暴力対策研修」が行われましたが、開催の経緯や当日の様子など聞かせてください。

福田:全職員を対象に、講義とグループワーク・ロールプレイングの参加型研修を開催しました。まず始めに「難渋型クレームの選別と対応」というテーマで話をしました。院内暴力って、経験していない人の方が圧倒的に多くて、いざ、その場面に立ちあった場合、まあ、普通は冷静ではいられないですよ。さっきのSOSボタンの話でも、じゃあ、いつ押せばいいの?と、いざとなると誰も分からない。実際にはかなり動揺した状況に陥るので、そういう気持ちの負担をどう軽減してあげるか、というのを考えてテーマを選びました。

人間って、そういう急な事態になった時でも、ある程度理屈がわかっていてやり取りをしていると案外冷静になれるものです。そういうところがあるので、理屈の話を盛り込んでね。あとは、何度も言うけれど、暴力に対してはどこかで線引きしないといけない。そのことについて具体的なイメージを持っている人と持っていない人では、その場に立った時の冷静さが違う。なので、そういう理屈と具体的なイメージを伝えることを心掛けて、そんな思いで講義をしました。その後、グループワークとロールプレイングに入ったんですよね。

内田:事例を3パターン用意しましたが、その事例は全部実話。当院で起こった実際の事例です。

三木:場所の設定も、診察室やリハビリ室など、過去にあったいくつかのケースを用意しました。

眞弓:研修参加者を9つのグループに分け、事例ごとに自分達ならどのように対応していくのかを話し合ってもらい、その後に、代表3グループに3事例の実演をしてもらいました。

内田:ロールプレイングの時、患者役のスタッフもかなり迫真の演技をしてくれたので、研修終わってからは怖い人だってイメージついてしまって、可哀そうに…(笑)

眞弓:真に迫った演技でしたからね。それだけに、いいロールプレイングだったと思います。何が正しい答えだっていうのは無いので、座学だけではなく、グループワークを通して、皆でいろいろ意見を出し合ってロールプレイする。患者さん役は患者さんの気持ちを理解することが出来るし、対応するスタッフはどのように動けばいいのか考え、動くので訓練になると思います。暴言や暴力はとっさに起こるものなので、少しでも予備体制を作っていければいいかな、ということであのような研修になりました。

三木:単に事例をお話しするだけではなく、各グループのロールプレイングを見ていただいて、対応はこういうふうにしたらいいんだ、というのを知ってもらっていけたらいいなと思いますね。

内田:テキストなどの紙面を見ていても、対応の仕方ってわからないことが多いですよね。

 

ロールプレイングを通して見ることで具体的なイメージも湧くじゃないですか。暴言にひるまないようにって書いてあってもね〜。
言葉で言うのは簡単、いざとなるとなると難しい…。

福田:そうそう。まあ、どれくらいそれで冷静になれるかっていうと、相当の訓練を積まないと冷静にはなれないけれど、それでも研修は必要。

三木:そうなんですよね。実際、どういう形で制止をして、どういうふうに注意をして、どこで一線を越えたと判断するか。対応の仕方について、マニュアルの中にも「対応の問答事例集」を載せていますので、目を通して役立てて頂ければと思います。

例えば、大声を出す方がいて、他の患者さんの迷惑だなと感じたら、それはもう一線を越えています。大声出すと警察呼びますよとかね、注意・警告をして、その上で大声の止まない場合は警察を呼ぶ。そのあたりが一線なんだろうと思いますね。叶わない要求とか要望を出し続けてくる患者さんも一線を越えています。それと、診察室や外来の待合室でいつまでも大声を出させているっていうのは、他の患者さんが不安になります。なるべく早く、そういう場所から医療安全管理室や防災センターに連れて行き対応することも必要です。

内田:外来診療中に大声を出した患者さんの事例では、ロールプレイングをした医師役の齊藤先生が、「もうこれ以上は聞かないよ」と言って患者さん役の三木さんの前から離れましたよね。シャットアウトするのも大事だって、福田先生も講義でおっしゃっていましたが、なかなかシャットアウトするのも勇気入りますよね。テキストを読むのと見るのとでは違うので、毅然と言って切り分けていくっていう事例が、結構、皆にも印象に残ったんじゃないかと思います。

眞弓:はい、そうですね。ある程度やり取りがあってから、さっとラインを引いていくという設定は、事前に打ち合わせたわけではないので、先生の講義を聞いた上で、グループワークのメンバーの中で考えたことだと思います。状況と患者側の発言だけの情報の中で、グループで話し合って、その結果を演じてもらいました。患者さん役も最後は本当に患者さんになりきってやってくださっていましたね。

三木:あれは、外来診療にいらした患者さんの実例でした。検査への不満や、診察説明への理解不足から診察室での大声に繋がっていった事例で、医療安全管理室に誘導しお話した上で警察を呼んで帰っていただきました。当院は「患者さんと医療従事者は協力してその病気を治していく」というスタンスですので、信頼関係がどうしても築けなければ、当院では今後の診察について対応できませんということで、最終的には診察そのものについてもお断りをしたんですよ。

ですから、ロールプレイングで担当医師がもうこれ以上診療はできませんと宣言して部屋をでて行ったのは、あれで正解だと思います。実際の現場でもそうでした。それ以上言っても、逆に医師が暴力の対象になる可能性が高かったわけですから。

眞弓:研修を繰りかえしていくことで、いざという時の対応に繋がっていくといいですね。

内田:繋がれば本当に良いことです。

三木:他の先生方も、このような場面に際しては、暴力対応チームが応援に来た段階で、これ以上診察はできません、ということをはっきりと言っていただいて、その場所から立ち去った方がいいですよね。それとは別に、通常の善良な患者さんから苦情を受けるような場合には、まずは良く話を聞いて、対応できる内容については親身になって対応すること。患者さんの立場に立って…それが一番大切に思っていることです。

眞弓:本当は暴力行為など無いのが一番なんですけれど、やっぱり人相手の職場ですからね。このような研修は全職員対象なので、皆さんに参加してもらいたいというのがあって、今回は90人以上の大きな研修会になりました。

内田:参加したスタッフには夜勤などのリーダーを任されている者なども含まれていて、相応のメンバーが出席していたんじゃないですかね。やっぱり、いざと言う時に後輩たちを守らなければならないし、自分だったらどういう対応をするのかとか、勉強するためには必要ですから。

眞弓:ええ、そうでしたね。

――今後、具体的な研修の予定はありますか?

眞弓:バージョンアップしたものをやりたいですね。

福田:繰り返しやることだよね。

内田:そうですねえ、パニックボタンを使った研修をやりましょうよ、先生。

福田:そうだね、病棟でもやりましょう。

内田:きっとまた脳外の先生たちが一番初めに飛んできてくれますから♪

――今後の活動目標や、患者さんや職員の医療安全を確保していくために、大切にしてきたい思いなどありましたら聞かせてください。

福田:医療安全っていうのは病院の文化なんですね。安全を脅かす出来事を見たときに「それは変だ」とスタッフみんなが思うこと。マニュアルと違うとか言うんじゃなくてね。そういう出来事が起こった時に、そういう行為を見た時に、その場で皆がおかしいって思う。医療者だけじゃなくて、患者もおかしいと思える。皆がそう思って何とかしようと行動する。そういう雰囲気を病院にどれくらい根づかせられるか。それは簡単には出来ないよね。5年とか10年とか、同じことを繰り返し繰り返し指摘しながらやっていくと、それが当たり前のみんなの“センス”になる。そういう意味では、千葉中央メディカルセンターの医療安全文化はかなり成熟してきたなという実感があります。

レジリエンスという言葉がありますが、心理学の言葉で回復力とか治癒力といったことを意味します。精神的に凄いダメージを受けた時に、そこから立ち直れる人と立ち直れない人がいて、その差は何か、それがレジリエンスです。それが病院にも当てはまるんです。医療事故というのはある頻度で起き得ることです。でも、レジリアンスの高い病院は、万が一起こってしまっても大事に至らせない。その力をつけることが大事ですね。本当の意味でのチーム力です。これはマニュアルやルールでは補えない部分で、コミュニケーションや5Sなどの環境整備はその基本中の基本ということになります。そういう医療安全の文化をこれからも育てていきたい。

内田:私がいつも思うのは、職員がお互いに思いやりと優しさを大切に働いてもらいたいと思うんです。患者さんに一番近くで接するのは看護部なので、絶対に思いやりと優しさが必要なんです。働く者同士にもその想いがないと、良い職場環境って出来ないと思います。スタッフ達が良い環境で働けないと、患者さんたちに不利益が出るんですよね。だって、優しくできるわけないから。今回のことで思うことは、働く場所が安全で、スタッフの思いやりが育まれるような職場であってほしいと思うことですね。

福田:常識もいろいろと変わってきているからね。今は、元旦も朝からお店はやってるし、数年後は元旦の朝からの掃除も当たり前になっているかもしれない。今は違うかもしれないけど、今後どんどん変ってくる。求められることが益々多くなっていく時代の変化にも対応していかなければならないと思います。

眞弓:私は、医療チームという中に患者さんも一緒に入っているんだということを皆さんに知ってもらいたいな、と思います。患者さんは別格っていうんじゃなくて、医療チームという共同体の中には患者さんや家族も一緒に入っているんだということを、もっと理解してもらえるような働きかけが必要なのかなって思いますね。ただただ私たち医療者が頑張って医療の安全を築くのではなくて、患者さんやご家族も一緒になって、何か気付いた時に、ここが危ないんじゃないの?って言って来てもらえるような、そういう医療安全管理室でありたいなって思います。先生がおっしゃるような、職員も患者さんも皆がおかしいと思う共通のセンス、ですよね。先輩リスクマネージャーの桜井マネージャーが引っ張って来てくださって、既にそのような風土はあると思いますが、これを更に一層充実させてパワーアップしていきたいと思います。

内田:思うところは皆一緒ですよね。

眞弓:やっぱりみんなが足並みそろえて、少しでも多く人たちが足並みを揃えて前を向いて歩んでいけるようでありたいと思います。

医療安全管理室の皆様、ありがとうございました。職場環境を整え、情報を共有し、研修を繰り返すことで、いざという時の心の負担を少しでも減らしたい、という医療安全管理室の皆さんの、患者様やスタッフへの気持ちが伝わってくるお話しを伺いました。このような日々の努力によって、しっかりとした組織に守られた安心感のある働きやすい環境が確保されているからこそ、これからも患者さんやご家族により安心で安全な医療を提供できるように頑張っていきましょう!

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