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医療法人社団誠馨会
千葉中央メディカルセンター

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千葉市若葉区加曽利町1835-1
TEL:043-232-3691
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午前8時15分〜

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http://www.ccmc.seikei-kai.or.jp/

  • 当院は2007年10月に日本医療機能評価機構ver.5.0による認定更新をしました。

看護部紹介|インタビュー

海外研修インタビュー SCU新井師長、SCU中川看護師

今年度、数回に亘りご紹介してまいりました当院のスペシャル研修ですが、今回は、先日「海外研修」から帰国された中川さん、そして昨年「海外研修」に参加され、中川さんの上司である新井師長に、「アメリカの全米トップクラスの病院での海外研修」…先輩から後輩へ引き継がれる、外から見て、再認識される日本の看護への思いを話していただきました。

――まず、最初に海外研修制度について、お話伺います。

新井:この研修は、当院が所属しているセコム提携病院グループの合同研修企画として、毎年、各病院の看護管理者が主に参加する海外研修プログラムです。アメリカオハイオ州にある「クリーブランド・クリニック」で開催され、病院毎に1名ずつ推薦し、私は昨年、中川さんは今年、参加させていただきました。期間は6泊8日で、今回は10施設から11名の参加でした。研修の目的は、4つです。「1.全米を代表する医療施設の看護体制管理を学ぶこと」、「2.少子高齢化にある日本医療を客観的に考察すること」、「3.事前と事後の学習で自己研鑚に励むこと」、「4.セコム医療システムグループ病院間のコミュニケーションを深めること」。今年で6回目を迎えた研修ですが、観光で行くのとは違い、看護師という資格を持つプロとして、国や文化の違う環境で、看護を学ぶことの出来る、本当に貴重な体験だと思いました。

隠れたチームワークも活かされる驚き多き実践研修

――具体的には、どのような8日間を過ごされるですか?

新井:簡単に言うと、午前は講義、午後は見学になります。病院の概要や教育制度、感染防止対策や褥瘡委員会等の活動の説明、 『マグネットホスピタル』としての運営、看護師の離職を防ぐ工夫として、スタッフが職場や上司を評価するシステムなどを学びます。一日の始まりは、朝8:30集合。といっても実際には「7:30からは、ここを見学できます」と言われ、その時間には集まっていましたから、朝はとっても早かったですよ(笑)。その代わり夕方は早く、16時頃まででしたね。そして、当然ですが、全て英語。何よりも言葉の壁がきつかったですね。クリーブラント・クリニックで働いている日本人看護師の方が、通訳として3名ついてくれましたが、それでも足りませんでした。

『マグネットホスピタル』とは
アメリカ看護協会が認定しているマグネットバンサー、良い雇用環境と、良い看護ケアが提供できる組織の中で、磁石のように質の高い看護師を引きつけ、離職させない見本となる魅力的な病院のこと。

中川:今年はもう少し人数が多かったですよ。

新井:昨年の大変そうな様子を見て、増やしてくださったのかしら!?一日のうち、休憩時間は、あっても無いようなもの。一つ一つの研修の間の休憩時間に、さっきまで学んだことを直ぐにまとめ、書き込まないと、後で解らなくなるので、休憩している暇がないんですよ。なかなかハードでしたよ。研修初日に、1分間の自己紹介があったのですが、事前準備はしていても、それだけでもハラハラしてしまいましたね。そんな私とは違って、他病院の方たちは、流暢な英語を話されていましたけど(笑)。

中川:そうなんです!私も、もっと学生時代から英語を勉強していれば、と痛感しました。余談ですが、入国審査から痛感したんですよ。短期間だから入国目的は「Sightseeing」で大丈夫かと思い込んでいて、周りの方にも「Sightseeing」で大丈夫だと思いますよって軽く伝えてしまったら、皆で止めらてました(笑)。クリーブランドは、観光する場所じゃないという理由で。通訳の方が来てくださって「Seminner」と言い直してやっと通過できました。ほぼ一夜漬け状態の石川遼くんの○※△※◇ラーニングが意味なかった〜(笑)。そもそも数カ月前から慌ててやる程度では、なかなか追いつけませんでしたね。話すスピードがまず違う!微妙に訛りがある地区でしたので、余計に難しかったです。聴きとるために、長時間ずっと集中しているということが、思ったよりも非常に大変ですね。午後の見学が終わる頃には、疲労困憊で少し眠って体を休めてから夕食を食べるという生活リズムでした。夜は、安全のために、一人でも団体でも、外出してはいけないと言われました。クリーブランド・クリニックの敷地が、街ひとつ分と感じるほどに非常に広いんです。病院というよりは、とても大きな会社のような建物が建っていて、大きなコンビニがその中にいくつも入っていたので、夕飯はそこで買ったりホテルの中で食べて、少しも不便さは感じませんでしたね。夕食後は、一歩も部屋から出ず、その日のうちに、昼間の勉強内容をまとめるのがやっとでしたね。

新井:私は、ほぼ毎晩、夜は出掛けていましたよ(笑)。新東京病院の院長と奥様が同行してくださっていたのですが、クリーブランドに滞在していらしたことがあるそうで、穴場のお店などに連れていって頂きました。奥様が車の手配までしてくださったんですよ。本当に大変お世話になりました。

実物を使用する研修経験は、患者さんへの思い遣り目線から

――アメリカと日本の看護に、どのような違いを感じましたか?

中川:国が違えば、文化や国民性、社会制度・保険制度の環境が、根底から違うということをまず実感しました。業務に関しては、一言でいうと、アメリカの方が日本よりドライな感じですね。非常に職務が細かく分かれているんです。日本の看護師が行う看護師業務も、アメリカでは、大きく看護師と看護助手とAPN(高度専門看護師)に細分化されていて、「ここまでが私の仕事」とはっきりしているんです。私たちは、看護師の仕事をしていても、少しでも手が空けば、助手さん達とと一緒に仕事をしたりしますよね。アメリカでは、その細分化された仕事の専門的プロ意識が、想像以上に高いアメリカの現場を、初めて見た私は驚きました。良い悪いではなく、お互いの国の看護の良さを体感できたと思います。

新井:そうですね。文化や宗教感も違いますから、本当にいろいろな考え方があるのだなと思いました。日本では当たり前の業務を、「なぜ、これは看護師がやらないのですか」と質問すると、やらないことが前提なので、逆に質問されることの方が不思議そうでしたね。日本では、相手の考えを予想したり、空気を読む場面が多々ありますが、アメリカでは、そのような考え方が無いシステムを聞くと感じます。合理的だからこそ、看護師という職に対する責任感が、非常に高いとも言えますね。「ここは自分の担当で、これは完璧です」と他に手を出さない代わりに、自分の範囲には一切手を出させない感じ、というと伝わりますでしょか。環境や考え方の違いを実感できる一場面ですね。

中川:確かに、様々な場面で違いは感じましたね。でも、考え方や環境が違うたけで、現場の看護師も、ひとり一人はとても優しいんですよ。アメリカでは細分化された看護師業務なので、残業することはないのです。細かく分業された業務を徹底し【残さない・残らない】という責任感が明確に伝わってきました。また、職場をどう評価していくかという中で、先程お話したマグネット病院の一例では、例えば、「様々なことを話せる友達がいるか」ということに「少ない」と答える職員がいれば、解決策をスタッフで話合い、レクリエーションなどを催し、コミュニケーションを取る機会を設け、当人や周囲のモチベーションを上げる努力をするなどの取組みを10項目で評価し、工夫することを伺いました。

新井:私が驚いたのは、師長クラスが組織をマネジメントをしていることです。例えば脳外科のエリアでしたら、脳外科の師長クラスが、予算をもらい、予算管理から、募集も人事も全て行っています。ポジションが日本と違うので、師長は一つの組織を全てを任された立場になっています。とても責任が重く大変なのだなと感じました。

――日本を離れ、改めて気付くことのできる日本の看護の良さはどのような点ですか?

新井:日本では、衣食住を含めて、1人の患者さんを看護しますよね。アメリカでは、食べさせる係、お風呂を入れる係、場合によっては点滴のみをする係、とはっきり細分化されています。その代わり、看護師はそれらのデータを拾い、どういう看護を提供したら良いかを評価し修正する、という流れを繰り返しています。そう考えると、日本は業務量が多いのかなと思いますよね。でも、私たちの仕事は、時間で区切れなかったり割り切れない内容って多いですよね。日本の良いところは「思いやりの心」です。相手を思いやる心が、日本には古来より根付いていると思います。看護で無くても、少し残って、その人の為に何かをする気持ちや行動がありますよね。例えば、患者さんが誰かに電話したいと言っているのを耳にすれば、たとえ終業時間になっていても、患者さんを車椅子に乗せて電話のところまで連れて行ったり、高齢の方の代わりに文字を書いてさしあげたりとか。やはり、私たちの看護は、日本の風土や文化に合っていると改めて強く思いました。『寄り添う思いやりの看護』で合っていると確信し、自信を持って今後の看護に取り組んでいけると思えたのが、一番の収穫ですね。この部分に関してはアメリカではなかなか真似できない部分かなと。これからは、日本の看護の良さを充分に活かしつつ、アメリカの合理性の高さ、評価方法などを少しづつ盛り込んで行くことが必要ではないでしょうか。海外研修に参加したことは、日本の良さを再認識する良い機会と今後の課題着手になりました。

中川:アメリカの場合、「排泄介助」は看護師の業務ではないんです。看護師と看護助手の仕事がはっきり別れています。でも、日本の場合、看護師と看護助手は一緒に働いている病棟の中で、24時間看護師がいて、助手さんだけでなく看護師も「排泄介助」をすることで、患者さんの状態や変化にいち早く気づけると、日常、当たり前のように行っていることが良い結果に繋がることに改めて感じました。たとえ看護師でも「助手さんと看護師でおむつ交換を一緒にやる」この意義は大きくあると思います。再認識された今、これまで以上に、もっと一緒に対応しようと思いましたね。業務で、私たちが普通に対応していることが、日本を離れることで、自分達を客観視でき、改めて良いところが分かる効果があって、これは大きいですね。海外研修に参加して、本当に良かったです。最先端の病院を見させてもらい、あまりに吸収するものが多く圧倒されて帰国したのも事実です。高度な技術や知識は圧倒されます。でも、何よりも『日本の看護は劣っていない。凄いものだ。』と胸を張って帰国できたの、もう一つの事実です。私達は、私達の看護に自信を持って良い、と仲間に伝えていきたいですね。旅行で海外に行くのとは違い、仕事として、そして看護師として最先端病院の中に行ってきたからこそ思える収穫です。もちろん、アメリカのレベルをきちんと理解しきれているわけではありませんが、大きく差が開いているとは感じませんでしたね。

貴重な教育環境、立場に応じた視点で知識を吸収・共有できること

――これからの病院・看護師が目指すものは何でしょうか?

新井:看護師の資格取得後が、日米では大きく違います。日本では、看護師個々の努力次第で、技術・知識や経験が変わってしまいます。看護師という資格を一度取得すれば、それが生涯通用し、悪く言えば今の看護師不足の世の中では、容易に就職できる傾向が高いのが現実です。「向上心を持ち、努力を惜しまない人材をどれだけ集められるか」で病院・看護の質が変わってきてしまいます。それとは違いアメリカの看護師資格は更新制度があります。プラスαとして、その病院の基準に満たないと解雇です。必修の研修は、当然参加しないと雇用の存続はあり得ません。だからと言って、アメリカも看護師不足である事情は変わりません。でも、努力をしない看護師を解雇する強さを持っています。指標は厳しいですが、それだけにプロ意識が高いのかもしれませんね。

中川:そうですね。資格の位置づけの違いが明確でした。日本には、資格を取得することをゴールになりがちで、その後の研鑚が少ない方でも、充分看護師として働ける環境が有ります。アメリカで資格取得は、通過点であって決してゴールではありません。だからこそ一人一人が勉強しなくては、と常に上を目指す。理念などの徹底も圧倒されます。上層部の方々が「For Patient」の理念を口にしますが、末端の看護師・その病院で働く全ての職員にもそれは徹底されていて、私たちはこの病院で働いている、というモチベーションが非常に高いです。「ここで働いているから世界一だ」という意識に圧倒されました。世界一かどうかということではなく、世界一の病院を目指しているという熱意の高さで、そう誰もが言い切っていました。

新井:私は、看護師を目指す時点で、皆さん『人のために』という気持ちはお持ちだと思います。その気持ちを前進させる方向に、病院としても研修などで促すことが必要だと強く感じました。当院も、研修の種類・数・内容も、ここ数年でぐっと増えましたし、スタッフの意見が中枢まで届くシステムも増えました。『この病院が良い』『この病院で働き続けたい』と皆が胸を張って言える、そんな病院で有り続けたいですね。役職を超え、いち看護師として、中川さんのように若いスタッフが、私と一緒の研修体験をしていることが本当に心強いですし、頼もしいです。

中川:私は、自分が掲げた目標や、病院全体での思いを、口にし、言い続けることも大事かなと思います。『日本一を目指す』…そんな大きな目標を管理職の方たちに言ってもらうと、周りも自然と意識が上がると思います。それと、今回、私が海外研修に参加できたのも、入職以来ずっと「海外研修に行きたい」と言い続けたからかなと思っています。言葉で伝えることで理解してくれる方もいると思います。口にしたから、何でも叶うということではなく、意識を自然と高く持って、どんなことにも前向き取り組めるし、今回、海外研修が終わっても新たな目標も更に見た気がするんです。海外研修は、通常管理職者向けなので、他の病院は師長や副部長が殆どで、1名だけ主任もいらっしゃいましたが、スタッフとしての参加は私だけでした。始めは、ここにいて良いのかしらと固くなっていましたが、先輩方といろいろな話をすることで、役職者の考え方や想いにに触れることができたと思います。当院の看護部には「よい職場づくりワーキンググループ」というのがありますが、その中での話合いの内容を思い出しました。結果が患者さんに繋がるために役職者は、こんな想いで考え、進めているんだな、と新たな目線で考え、理解することが出来ました。いろいろな立場・役割りの人の意見を理解して、お互いの気持ちや考え方を話し合うことが大切なのだと深く思いました。

充実した教育研修、現場チーム力に欠かせない環境づくりを意識

――今後の海外研修に求めるものは何ですか?

新井:研修は1週間では、短いですね。出来る事なら、もう一度、参加したいです。実質5日間ですと、どうしても広く浅い詰め込みになりますよね。どんな研修でもそうかもしれませんが、その時は、全てを分ることは出来なくても、日を置いてから振り返ることで、自分の中で気づくことが多いです。海外研修に参加した意義は充分あります。一人でも多くチャンスをつかんで、参加して、体感して欲しいです。

中川:私も、贅沢を言えばもう1週間滞在したかったです。始めの1週間で概要に触れましたが、もっと実際の業務を見たかったですね。次のステップとして、Shadowingという、一人の看護師に付いて回る研修にも参加したかったです。具体的にどんな患者情報をとり、どのような観察をしているのかなど、見て身につけたいですね。ただ、実際問題、そのためには英語力が必要不可欠になるので、常に日本人スタッフに通訳として付いてもらうわけにはいかないので難しいですが、Shadowingに強く惹かれますね。今回、海外研修に参加したことで、取り組みたいことが確実に拡がりました。研修に参加して目標達成ではなく、この先につながる素敵な体験をさせていただきました。ありがとうございました。

新井:実際に現地に行き、初めて気付くことがたくさんあります。例えば服装。患者さんは日本のようにパジャマで歩きません。病室以外はコートなどを羽織って売店などの買い物にも来ます。売店にも大きな違いがあります。日本では、いわゆる売れ筋商品が手前に並び、あまり需要の少ないものは、奥や高い位置に置かれているのが殆どです。現地では、たとえ売れなくても「患者さんが必要な物は手前に置く」という「For Patient」の一貫した姿勢が売店にもあります。リハビリ用の靴など、患者自身が試して履くものは、言われてから取り出すのではなく、すぐに患者さんが触れられる位置に最初から陳列しいます。これらは細かなことですが「なるほどなぁ」と自分自身が見て、感じることが大切なのだと思います。セコム提携病院としての海外研修は、参加者に対して細かく何枚ものアンケートをとって意見を聞いてくれていて、要望を受けて前進する姿勢があるので嬉しいですし、このような機会を与えてくださるのは大変ありがたいですね。海外研修のシステムというのは、いち病院単独で簡単に設けられるものではないと思います。このグループでなければ経験できないことですので、是非、年一回ではなく、回数を増やして、もっと多くの看護師が参加できるチャンスを作ってほしいですね。管理職だけではなく、さまざま年代の看護師達にも見せたいです。当院でも、来年1月にインドネシアの看護師さんを二名お迎えします。今度は、海外の方をお迎えする番です。病院全体・スタッフみんなにとって、良い刺激になるのではないでしょうか。いろいろな国の文化や看護に触れ、初めて自分達の看護の良さや、他国の良さに気がつくことは多いと思います。海外に行くという研修だけではなくお迎えすることも、多くの関わるスタッフにとって良い研修の機会になると思います。ぜひ、この機会を大切にしたいですね。

セコム医療システムグループだからこそ参加できる海外研修企画。管理職にとどまらず、今回、千葉中央メディカルセンターでは、率先してスタッフへも門戸を拡げました。各々の立場だからこそ得られる大きな目標や気付き、これからの皆さんの看護に取り組む姿勢に頼もしさを感じるインタビューでした。ありがとうございました。

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