Cross Talk

メンバー紹介

  • 堀江篤哉(糖尿病センター長 医師)
  • 青木美智子(糖尿看護病認定看護師)
  • 石井彩(日本糖尿病療養指導士 看護師)

SECTION01

千葉県で初めての糖尿病センター。その意義は何か

  • 司会

    当院の糖尿病センターは千葉県で最初に誕生した糖尿病センターだと伺っています。糖尿病センターがCCMCにある意義や良さを教えてください。

  • 堀江

    意義としては糖尿病医が千葉県では年々人口あたりで少ないんですね。そのうえ、専門医はどうしても千葉市の中では中央区に集まっていて、若葉区には専門医が少ない。ですので、若葉区の糖尿病診療に貢献できていると思います。

    良さは、糖尿病の治療は合併症を予防したり、進展を抑制することが一つの大きな柱ですが、合併症を予防するにあたり、当院では眼科もありますし循環器内科、脳神経外科、形成外科、整形外科もあるので、十分な体制が取れることだと思います。

    堀江写真1
  • 青木

    CCMCに糖尿病センターが初めてできたときに、私は千葉県内で糖尿病看護に携わっていましたが、凄く画期的で、先進的なことをされたと思いました。私もその中でお仕事したいと思い、こちらに就職しました。

  • 石井

    フットケアをしたりというのは糖尿病センターならではですよね。

    石井写真1
  • 青木

    そうですね。糖尿病の合併症に足病変がありますが、その予防のためのフットケアを継続してやっています。

SECTION02

新しい試みの糖尿病教室。患者さんの反応は?

  • 司会

    昨年から青木師長が多職種による糖尿病教室を始めましたね。教室の内容を教えてください。

  • 青木

    教室の内容は、まず糖尿病の基本的な知識を身に付けて頂いて、それから療養生活に活かしていただけるようにと思っています。「糖尿病とはどういう病気なのか」「どういう合併症があるのか」から始まり、食事療法、運動療法、薬物療法という治療の3本柱を知識として身に付けてもらい、その後日常生活の在り方を話す構成にしています。基本的な知識のところは堀江先生や糖尿病センターの先生方にお願いしています。

  • 司会

    先生からのお話は診察とは別で教室の中で行われるのですか?

  • 堀江

    教室で行っています。僕は合併症について話しています。どうしても糖尿病は自覚症状がなくてついつい投げてしまうところがあるのですが、こういう合併症が怖いんだよというものを中心に話しています。

    堀江写真1
  • 司会

    患者さんの反応はいかがですか?

  • 青木

    先生が話をされているときは、結構驚きながら聞いていますよね。

  • 堀江

    ショック療法というか、「本当に怖いんだよ」っていうことを強調したいので、例えば足壊疽の写真を出したりとか結構きつい写真を出したりして脅かしています。それでちょっと目の色が変わってくれたらいいかと思いますね。

  • 司会

    診察内でお話しできないことを行っていらっしゃるわけですね。そこで患者さんたちは自覚し始めるという・・・。

  • 堀江

    そうですね、聞いた直後はみんな自覚していると思いますが、繰り返し言う必要があるんでしょうね。一回言っただけではどうしても途中で慣れてくるので、繰り返しやっていくことが重要かなと思っています。

  • 青木

    フットケアとかご自分でちゃんとセルフケアとしてやって頂くことを目的に看護師の講義をやっているんですけど、そういうところで、堀江先生から「こういう写真を見ながらこういう話を聞いていますよね?」と言うと、みなさん「あぁぁ・・・」とうなずかれるので、関連付けて行えているかなと思います。

    青木写真1
  • 司会

    先生は診療で忙しかったり、看護師さんも多忙な中で教室をするのは大変ではないですか?

  • 石井

    午前中は外来患者さんが多いですが、午後は比較的空いている時間があるのでコメディカルのみなさんと協力しながら分担して行っています。一人あたりの時間はそれほどかかっていなくても、それぞれの立場から患者さんにお伝えできているかと思います。

フットケア

SECTION03

高齢者の多い千葉市若葉区。様々な施設と連携し患者さんを支える

  • 司会

    若葉区の患者さんは独居で高齢の方が非常に多いです。糖尿病薬やインシュリンなど自身で管理する方がいますが、中には難しい方もいるかと思いますけどそのような方々の指導や対応はどのようにされていますか?

  • 堀江

    それが一番悩ましいところです。服薬管理がどうしても難しい方は内服薬の数を減らしたりとか、様々な工夫をしています。近くに家族が住んでいれば協力を仰いで助けてもらうのですが、本当に困るのは周りに家族がいなくて認知症が進んでいて、でもどうしても注射が必要だ、ということになると一番頭を抱えてしまって、そうなるとやっぱり施設等を考えざるを得なくなります。

    堀江写真1
  • 青木

    最近は地域連携室と連携を取るようにして、地域のあんしんケアセンターの支援を頂いたり、訪問看護の導入が出来ないかとかヘルパーさんにどの辺まで依頼できそうかとか確認しながらやっています。

  • 石井

    ご本人の気持ちを尊重して、ご本人が納得できる形を患者さんと一緒に考えていくように心掛けています。

    石井写真1
  • 司会

    訪問看護ステーションにも介入して頂いてることが多いと思いますが、訪問看護ステーションの看護師さんとも連携を取っているのですか?

  • 青木

    そうですね、訪問看護師さんからのFAXを先生に提出するのはもちろんですが、看護師側でも見せて頂き、必要に応じて電話で連絡を取り合ったりして、患者さんの状況を確認し合ったり、こんなことを見てみて欲しいという依頼をしたりしています。

SECTION04

糖尿病看護認定看護師の活躍。専門性を持った看護で医師をサポート

  • 司会

    先生に質問ですが、糖尿病の認定看護師が入ったことで良かった点は何でしょうか?

  • 堀江

    良かった点はいっぱいあって、認定看護師さんって問診を取るにしても、さっきのフットケアにしても診るべきポイントをちゃんと診てくれるんですよね。ですので、青木さんや石井さんの問診を見てみると、こちらで聞こうと思っていることを既に聞いてくれているので追加で聞くことがあまりなく診察がスムーズにいきますね。
    あとはフットケアとか、医師が診察で足まで診るのは時間的に難しいんですけど、そういうところもちゃんとチェックしてくれているので助かっています。

  • 司会

    石井さんは今、千葉大学の修士課程にも在学していますよね。大学と臨床の場をどのようにつなげていきたいなど、目標はありますか?

  • 石井

    そうですね、私の今の研究テーマがまさに「高齢者の糖尿病患者さんの支援」なんですけど、目標は日本全国でももちろん国外でも高齢者糖尿病患者ケアはこれから凄く支援が必要になってくるという認識で、そこに対して大学で学んだことを臨床に還元できればいいなと思います。

    石井写真1
SECTION05

今後の糖尿病センターの取り組みは?

  • 司会

    糖尿病センターとして今後どのようなことに取り組んでいきたいですか?

  • 青木

    透析予防支援にも力を入れていきたいと思っています。先生方も大変忙しいので、もう少し負担のないような形で出来ると良いかと思いますけど、先生いかがでしょうか。

  • 堀江

    必要だと思いますね。あとは地域の先生との関連を強化したいと思っています。特にCCMCはこれだけの設備が整っているので、色々な患者さんを診れるんですけど、ある程度軽症な患者さんは開業医の先生に管理してもらって、何かあったらすぐうちに回してもらうような地域全体として糖尿病患者さんを診ていく必要があると思っています。どうしても糖尿病患者数が多く診きれないところがあるので、地域の先生と密接に関わりあって若葉区全体として糖尿病患者さんを管理していきたいなと思っています。

  • 石井

    みんなで力を併せて頑張りたいですね。

Contact

インターンシップ・病院見学の
お申し込みはこちら