当科ではさまざまな消化器疾患に対して多職種が有機的に機能するチームとして診療にあたっています。コメディカルも栄養士、理学療法士、ケースワーカーなど回診に同行し、患者さんそれぞれに対応、検討しています。NST(栄養サポートチーム)も積極的に活動しており、常に栄養状態の評価が行われています。
詳細はこちら手術室スタッフ | 術前訪問、入室時の申し送り、タイムアウト実施、手術中の患者管理、器械出し、退室時の申し送り |
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病棟スタッフ | 術前・術後ケア、状態把握、化学療法の実施、吸引、体位交換、衛生管理、ドレーンなどの管類の管理、輸液・輸血の実施 |
ME | 機器の保守点検、人工呼吸ウイニングの管理、精密機器の管理など |
ICU | 術直後の病態管理、呼吸、循環、などのモニタリング、ドレーン類の管理 |
NST | 入院時の栄養アセスメント、周術期の栄養管理 |
リハビリ | 術後の身体機能の維持、回復 |
薬局 | 調剤、混注、化学療法レジメン、スケジュールの管理 |
そして、診療部の多くの科との連携で成り立っています。
消化管 | 食道癌、胃癌、大腸癌 |
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肝臓 | 肝臓癌 |
胆嚢 | 胆石症、胆嚢癌 |
膵臓 | 膵臓癌、IPMN |
虫垂 | 虫垂炎、虫垂腫瘍 |
ヘルニア | 鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア |
近年医療の低侵襲化が進み血管内治療の進歩がめざましい領域ですが、手術が必要な動脈疾患は決して少なくありません。
当科では患者さんの病状や全身状態を総合的に判断し、最適と考えられる治療を提示させて頂きます。
大動脈 | 腹部大動脈瘤 |
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末梢動脈 | 末梢動脈疾患(ASO:閉塞性動脈硬化症など) 急性動脈閉塞 仮性動脈瘤 など |
【対象疾患】
乳癌、葉状腫瘍、乳管内乳頭腫、線維腺腫、乳腺炎、女性化乳房などです。
【診断】
日本乳がん検診精度管理中央機構の定める基準に従って、マンモグラフィー、超音波検査画像を判定しています。
【治療】
乳がんと診断した場合は、近隣の乳腺外科にご紹介しております。
飯田 義人 Yoshito Iida
役職 | 部長 |
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専門分野 | 消化器外科 |
資格 | 医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医・指導医 日本消化器病学会専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医・評議委員 |
間宮 俊太 Toshitaka Mamiya
役職 | 副部長 |
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専門分野 | 一般・消化器外科、消化器内視鏡 |
資格 | 医学博士 日本外科学会認定医・専門医 日本消化器外科学会専門医・指導医 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本大腸肛門病学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本医師会認定産業医 |
服部 陽 Yo Hattori
役職 | 主任医長 |
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専門分野 | 消化器外科、血管外科、acute care surgery |
資格 | 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本脈管学会脈管専門医 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト実施医 日本救急医学会救急科専門医 日本腹部救急医学会腹部救急教育医・腹部救急認定医 |
松葉 芳郎 Yoshiro Matsuba
役職 | 非常勤医師 |
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専門分野 | 一般・消化器外科 |
資格 | 日本外科学会専門医・指導医 日本消化器外科学会専門医・指導医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本超音波医学会超音波専門医・指導医 ICD制度協議会認定インフェクションコントロルドクター(ICD) 日本医師会認定産業医 |
松田 充宏 Mitsuhiro Matsuda
役職 | 非常勤医師 |
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専門分野 | 一般・消化器外科、乳腺 |
資格 | 日本乳癌学会乳腺専門医・指導医 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会指導医 日本消化器外科学会消化器がん治療認定医 日本人間ドック学会認定医 検診マンモグラフィ読影認定医 乳がん検診超音波判定医 |
藤城 健 Takeshi Fujishiro
役職 | 非常勤医師 |
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専門分野 | 一般・消化器外科 |
資格 | 医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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午前 8:15~11:00 |
- | - | 飯田 義人 | 松田 充宏 (乳腺外来) |
藤城 健 | - |
- | - | 服部 陽 | 間宮 俊太 | - | 間宮 俊太 | |
午後 13:00~16:00 |
- | - | 服部 陽 (血管外科外来) |
松田 充宏 (乳腺外来) |
- | / |
- | - | 飯田 義人 (ヘルニア外来) |
松葉 芳郎 | - | / |
休診・代診日 | AM/PM | 診療科 | 医師 | 備考 |
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3/26(水) | AM・PM | 外科 | 飯田 義人 | 休診 |
3/27(木) | AM | 外科 | 間宮 俊太 | 休診 |
医師の急な都合により、休診情報を掲載できない場合がございますので、ご了承ください。
地域の患者さんのニーズに応え、これまで以上に消化器疾患の治療を効率的に行うことを目的に、2016年10月に消化器センターが開設されました。現在、2階の第一病棟が消化器センターに割り当てられた病棟で、消化器内科・外科両科により51床を運用しています。
センター化により、消化器内科・外科の連携がさらに強化されました。消化器内科と外科のカンファレンスでは消化器内科で診断した症例の治療法や、外科で手術した術中の様子、術後経過、手術検体の病理組織検査結果などが検討されています。また、消化器系の救急疾患に対しては、病状に応じて最善の治療法をセンター内で検討し、迅速な方針決定、治療の実施を行うことができます。中規模病院であることでスタッフ内での垣根もなく、小回りが利くところが診療のスピード感につながります。緊急の内視鏡的総胆管切開、総胆管結石切石ドレナージなどの治療も迅速に施行されます。
近年、大腸癌の症例が増加していますが、全周性の閉塞をきたし、通過障害になっているような場合でも内視鏡診断と同時に情報が共有され、ステント治療なども含めて治療法が検討されます。
消化器センターで症例数が増加している大腸悪性腫瘍や胆道系疾患(胆石、胆のう炎)に対する手術では、患者さんの回復の早い、いわゆる体にやさしい鏡視下手術を積極的に行っております。鏡視下手術では拡大視効果や精細な外科解剖学、手術に用いる器具の進歩などもあり、出血が少なく、良好な視野で手術することが可能です。
外科治療の進歩に伴い、当院の一般・消化器外科でも内視鏡外科治療が主流になっています。2014年~医療法人誠馨会 千葉メディカルセンター内視鏡外科センター長であった仲本嘉彦先生(現 明和病院 内視鏡外科部長)の御指導、教育を仰ぎながら、当院の若手外科医はさまざまな分野の内視鏡外科治療技術を修得していきました。そして2016年4月に消化器センター長に就任された長田俊一先生(現 大船中央病院副院長・外科部長)により、当院の大腸癌に対する内視鏡手術治療がより一層発展しました。
2018年10月より順天堂浦安病院外科におられた飯田義人先生が着任され、肝・胆・膵領域を中心に、当院の内視鏡外科治療に多大な貢献をいただいており、ますます治療精度が向上しています。
実際の内視鏡外科治療は、腹腔内に二酸化炭素を送気して、腹腔を膨らませてその空間に手術器具を挿入して、同じく腹腔内に挿入したビデオカメラの画像を見ながら操作して、手術を行う腹腔鏡下手術です。最近では3Dの技術も応用されています。開腹手術に比較して切開創が小さくできるので、術後の疼痛が少ない、術後の腸管運動の回復が早く、入院期間の短縮や、仕事へ早期復帰が可能であることなどが長所とされています。
具体的には現在では胃癌、大腸癌(結腸・直腸)、胆石胆嚢炎、膵臓腫瘍、そけいヘルニア、虫垂炎などの手術では内視鏡外科手術が第一選択になっています。
2018年1月から12月までの手術統計を用いると、大腸の悪性腫瘍手術(大腸癌)65例のうち、約70%が内視鏡外科手術で治療され、術後疼痛の軽減、入院期間が短縮されております。胆嚢摘出術では、全体で100例のうち約80%以上が内視鏡外科治療です。また、そけいヘルニアでは鼠径部の癒着が懸念される下腹部の開腹手術後や前立腺全摘術後を除いて、第一選択は腹腔鏡下のヘルニア修復術になっています。術後の疼痛も前方アプローチの手術に比較して軽く、約3日の入院で治療可能です。2017年1月から12月の統計では腹腔鏡下のヘルニア修復術は部位別に鼠径部67例、大腿部1例、閉鎖孔3例となっています。また急性虫垂炎手術では90%が内視鏡外科治療されております。
当院は過去に心臓血管外科を擁し10年以上心臓血管外科手術を行ってきた実績がありました。しかし、2014年12月に当院と同一医療法人である誠馨会千葉メディカルセンター新設に伴い、当院の心臓血管外科は同院へ移設されました。これにより地域の皆様に心臓血管外科診療を提供することができなくなり、大変ご不便をおかけ致しました。
今回、2021年4月に日本脈管学会認定脈管専門医が赴任したことにより新たな血管外科チームを編成し、千葉メディカルセンター心臓血管外科診療部長である三原和平医師の全面的なバックアップを頂きながら入念な準備期間を経て血管外科診療を再開致しました。
全国的にみても血管外科診療が可能な施設は少なくかねてより地域医療の課題の一つでありましたが、手術件数は年々増加傾向にあり「地域で完結できる血管外科診療」を安全に提供できるシステムが完成しつつあります。
症例内訳
症例数推移
当院での主な診療内容は以下の通りです。
腹部大動脈瘤
大動脈瘤とは「大動脈が“限局的に”正常の太さの1.5倍以上に膨らんだもの」と定義されています。大動脈の中でも腹部で最も多く、腹部大動脈の正常径が約2cmであることから3cm以上に膨らんだ場合に「腹部大動脈瘤」と診断されます。
末梢動脈疾患
末梢動脈疾患とは心臓の冠動脈・大動脈以外の動脈硬化性疾患の総称です。中でも大部分を占めるものが下肢動脈疾患(Lowe Extremity Artery Disease:LEAD)で、以前は「閉塞性動脈硬化症」や「下肢慢性動脈閉塞症」と呼ばれていましたが、現在は国際的に「LEAD」と統一されています。
多くの場合動脈硬化が原因となりますので、生活習慣の改善や内科的治療が必要です。また、動脈硬化は下肢だけでなく全身の血管に等しくダメージを与えることから、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞などを合併することも多いと言われています。
LEADの初期症状は、下肢の血管が狭窄・閉塞することで歩行時に痛みが出現し休憩しながらでないと歩行できない「間歇性跛行」が特徴的な症状です。病状が進行すると歩行できる距離が短くなり、安静時にも痛みが出現するようになります。最終的には足趾の壊死に至ることもあります。
LEADの中でも包括的高度慢性下肢虚血(Chronic Limb-Threatening Ischemia:CLTI)と呼ばれる病態があります。これは「虚血による安静時痛や下肢潰瘍、壊疽が少なくとも2週間以上改善せず持続するもの」と定義され、そのままでは膝下ないし膝上での下肢大切断の可能性が高いことや、1年以内の死亡率が高いことから非常に重症度の高い病態と言えます。治療の第一選択は血行再建であり、踵を温存した小切断に収めることで自立した歩行能力を維持することを目指します。
当科では血行再建が必要なLEAD、CLTIに対するバイパス手術をはじめとした手術治療を担当しており、循環器内科・形成外科と連携して救肢を目指した治療を行います。
その他の腹部内臓動脈疾患
一般的に高い専門性を有する心臓血管外科は心臓・大血管の診療に特化していることが多く、また同様に消化器外科は消化器の外科的診療に特化しています。
腹部内臓動脈疾患は腹部にありながら血管疾患であるため境界領域にあり、末梢血管外科に特化した施設あるいは診療科の垣根を超えた連携が可能な限られた施設でのみ診療が行われていることが現状であると考えられます。
当院の特徴の一つとして、消化器外科と血管外科が一つの診療科として治療に当たっていることが挙げられます。血管外科を専門としながら日常的に腹腔鏡手術を含む消化器外科手術を行っている医師が治療に当たるため、安全性・専門性ともに担保された治療をご提供致します。
ⅰ)腹部内臓動脈瘤
腹部内臓動脈に発生する動脈瘤(腹腔動脈瘤・肝動脈瘤・脾動脈瘤・上腸間膜動脈瘤など)は腹部大動脈瘤に比べると発生頻度は低いですが、破裂すると致命的な出血を来すため緊急手術の対象となります。
近年画像検査の発達普及により偶発的に発見されることも多く、治療適応は発生部位・瘤径によっても異なりますが、破裂前の治療が望まれます。
他の動脈疾患同様、血管内治療が担う範囲も拡大してきておりますが、臓器温存のための血行再建が必要なことも依然少なくありません。
ⅱ)正中弓状靭帯圧迫症候群
正中弓状靭帯という横隔膜と連続する構造物により腹腔動脈が圧迫されることで血流障害が生じ、“食後の腹痛”に代表される腹部臓器の虚血症状を呈する病態で、「正中弓状靭帯症候群」や「腹腔動脈圧迫症候群」と呼ばれることもあります。長期間圧迫されることで腹腔動脈に高度狭窄や閉塞をきたした場合、側副血行路となる動脈に動脈瘤を引き起こすことが知られています。
「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」と診断されている患者さんの中には、実はこの正中弓状靭帯圧迫症候群が一定数潜んでいるとも言われています。
当科では腹部内臓動脈瘤に対しては動脈瘤切除/空置+血行再建手術を、正中弓状靭帯圧迫症候群に対しては腹腔鏡を用いた靭帯切離術を行っております。
腹部内臓動脈瘤に対する手術
腹部内臓動脈瘤に対する手術
下肢急性動脈閉塞
急性動脈閉塞とは「下肢切断に至る可能性のある急激な血流減少」と定義されています。
仮性動脈瘤
仮性動脈瘤とは外傷や医療行為(カテーテル検査や治療など)により動脈壁が破綻し、そこから漏れ出した血液が一部血栓化して一時的に血液の流出が止まっている状態を指します。
血管外科診療ではチーム医療が必要不可欠です。
当院では患者さんを中心として、医師・看護師(手術室/HCU/一般病棟)・臨床工学士・臨床検査技師・理学療法士・ロジスティシャンからなる診療チームを編成し、定期的にカンファレンスを行うことで診療の質を担保しています。
服部 陽 Yo Hattori
役職 | 主任医長 |
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専門分野 | 血管外科、消化器外科、acute care surgery |
資格 | 日本外科学会専門医 日本脈管学会脈管専門医 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 腹部ステントグラフト実施医 日本消化器外科学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本救急医学会救急科専門医 日本腹部救急医学会腹部救急教育医・腹部救急認定医 |